ギリシャリクガメ程、亜種分類が同定しにくい種も珍しいです。
産地はもちろん、入荷する便によってもタイプが大きく異なります。
当然、飼育していく上での環境も異なってきます。タイプによっては飼育難易度が非常に高いものもいます。
当店では、ギリシャの中で一番日本の気候・環境に対応していると判断している
イベラ亜種を中心に繁殖・販売をしております。
ロカリティや亜種名まで明示されて輸入された場合は良いですが、学者さんでも亜種分類が難しいので、
たぶんこの亜種だろうと判っていても、店側で安易に亜種名などを断定して販売することは難しいです。
その場合はssp.表示としております。珍しいという意味ではなく何某かの亜種という意味合いの表示です。
当店でもヘルマンに混じって入荷した少し変わった個体を一匹ピックアップに載せております。
昔から【混じり個体】【亜種不明】などの個体は、ミズガメ・リクガメ問わずマニアごころを擽ります。
マニアあがりのお店側の人間やマニアさんたちで「ここの部分がこうだからこれではないか?」
「いやいや。あの洋書のこのページの写真に似ているから、これではないか?」などとショップ店頭で
侃々諤々、集まってトークするのも この趣味の醍醐味だと思います。
ギリシャに限らず、細かな特徴をつかんだり分類したりに関しては、もしかしたら学者さんより
その種類に精通したスーパーマニアさんが一番詳しいのかも知れません。
余談となりますが、最近はアラブやイベラの入荷がメインですが、昔は今より色々なタイプが入っていました。
エジプトリクガメが普通に買えた時代から飼育している店主が、今までで一番のお気に入りだったのは、
Furculachelys nabeulensis です。
エジプトの様な甲羅の形と色目、色白にマダラ模様の顔。初めて見た時は衝撃的でした。
今はTestudo属に入っていますが、【ふぁきゅらちぇりす・なびゅれんしす】と呪文の様な学名にも
シビレタものです。画像検索などでは入荷当時の典型的個体は出てこないかも知れませんが。。。
オールドマニアさんならお分かりかと思います。
当店も今はポピュラー種をメインに販売しており、初心者の方にも分かりやすい、
嚙み砕いた表現を使ったご紹介やご説明を心掛けていますが。。。
元々、店名のまえにつく【 RARE TORTOISES & TURTLES 】が表す様に、レア種や混じり個体などを
海外まで買付に行って輸入したり厳選して販売しておりました。
店主も細かなロカリティや分類にもコダワリがあり、学者さんに亜種判別してもらったり、
洋書の文献など調べまくっていた系のマニアあがりなので、古いお客さまとはたまに侃々諤々と楽しい時間を過ごしています。
たまにはこのような【よもやま話】も。